令和2年度 3学期始業式 高等学校長挨拶

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 皆さん、明けましておめでとうございます。年の初めで、多くの皆さんが新たな夢を描き、目標を立てたことと思います。私も、これからの西武文理の姿を、改めて夢見ています。

 これからの若い人たちは、AIの出現により、今まで以上に人間としての存在価値を、問われる世代ではないでしょうか。人間の存在価値です。皆さん一人ひとりの生まれてきた価値です。私は、人は新たなものを創り出す創造力をもつこと、また、人と人との気持ちの交流や気遣いができる力をもつことが、人間の存在価値だと思っています。

 私は、西武文理の生徒諸君が、学校で生き生きとして友達と過ごす姿が大好きです。また、勉強や部活で真剣に努力する姿があれば、それを仲間同士互いに尊重する姿勢が大好きです。

 教員と生徒の関係は、グライダーと牽引車によく例えられます。生徒は、まさに大きな翼を広げこれから大空に飛び立たんとするグライダーです。教員は、それをどこまでも高くどこまでも遠く飛んでいけるように、滑走路で牽引する車です。グライダーは、好奇心旺盛にどこまでも自分の力で飛びたいという気持ちをもっていなければ飛べません。牽引車は、グライダーを飛び立たせるための速度まで引く力がなければなりません。そして十分な速度が出たところで、お互いにワイヤーを切る気持ちがなければいけません。切るのが早すぎれば失速し、遅すぎると牽引車がグライダーの足を引っ張ります。その速度やタイミングがプロとしての教員の力量です。上手く離陸させれば、全ての生徒たちが、我々大人が見たこともないような景色を眺め、行ったことのない遠い世界へ行きつく、そう私は確信しています。そんなグライダーがたくさん飛び立ち、大空を滑空する勇姿を見るのが私の夢です。そのために今、学校改革を進めています。

 さて、緊急事態宣言が昨日発出されました。ウイルスに感染したくて感染する人はいません。また、どんなに注意をしていても不可抗力で感染してしまう人もいるでしょう。大事なことは、隠さず速やかに学校に報告し、最小被害に食い止めるため、次の予防対策を実行することなのです。

 前回と違い、学校現場を止めるとは要請されていません。確かに、感染者数は指数関数的に増加していますが、これからの学校生活において、「心配だからあれも中止、これも中止」ではなく「工夫次第で、安全にあれもできるし、これもできる」と我慢していたものを一つずつ解き放っていくフェーズに入ったと思います。皆さん方と先生方と知恵を出し合い、様々な教育活動を新たな姿で復活させていきましょう。

 3年生の皆さん、本日は残り少ない登校日です。その制服を着るのもあと数回しかありません。それぞれの目標に向けて大詰めの時期です。新たな共通テストや大学入試のフロンティア学年です。臆することなく最後まで挑戦を続けてください。きっと充実した将来への第1歩を踏み出すことができると思います。頑張ってください。

西武学園文理高等学校
校長 柴田 誠   

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