1月8日(水)、3学期の始業式が行われ、生徒たちの元気な声が学校に戻りました。
以下に、高等学校長の挨拶文を掲載いたします。
柴田誠 高等学校長 挨拶(全文)
明けましておめでとうございます。昨年は様々な暗いニュースが流れました。国内では、台風19号の被害で90名の方が亡くなり、海外ではオーストラリアのシドニー近郊の山火事なども発生しました。九州と四国を合わせた面積の山林が焼失し25名の人が死亡しています。まだ消火ができていません。これらは天災のようで、実は人災かもしれませんね。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16歳)は、国連本部で開かれた「気候行動サミット」で世界の為政者たちに訴えていました。パリ協定を勝手に離脱する国や人口が多いから大気汚染は仕方がないと考える国の大人たちは、しっかり反省し改善行動をすべきと思います。人類の幸せ、地球という星の幸福には、全ての国の努力が必要です。
さて年が改まり、令和2年の幕開けです。清新な気持ちで新学期を迎えたことと思います。皆さんは今年の目標を立てましたか。私は、皆さんをもっと心身ともに逞しく鍛え、もっと知性と品格を身につけさせ、その結果として皆さんの夢、進学希望が叶えられる学校に、この西武文理をしたいと思っています。それを私の目標とし、挑戦していこうと思います。皆さんも成りたい自分を想い描いてください。
今日は一つの学校を紹介します。近くのさいたま市の学校ですから既に知っているかも知れませんね。昨年12月末に「ものづくり日本大賞」で内閣総理大臣賞を受賞した、県立大宮工業高校ラジオ部です。2017、2018モデルロケット世界大会で優秀な成績を収めた点を評価されたのです。大会の内容は1mぐらいの小型の自作モデルロケットに生卵を乗せて、指定された高度約250mまで正確に打ち上げ、約45秒で搭載した卵にひび一つなく着地回収する競技です。ロケットの設計・制作もオリジナルで作成精度も相当なレベルを要求されるそうです。審査員を前に、製作したロケットについて理論的に英語でプレゼンテーションする審査もあり、2年連続で世界2位の高い評価を獲得したそうです。実際のロケットの打ち上げ精度とプレゼンテーションの採点比率が6:4となっていて、プレゼンをいかに重要視した大会かが分かります。米、英、仏、日本の若者が、様々な場面で意見交換しお互いの理解を深め、技量を高めていく、その交流に価値を置いているのです。私もその趣旨に大賛成です。ロケットは、お金と時間をかければもっともっと正確に飛ばせることでしょう。でも、今の若者に本当に必要なことは、同じ目的や課題をもちながら、言葉の壁を乗り越え協働する、その経験そのものなのです。
皆さん、どうか自分の目標に向かい努力を続けてください。そしてその過程で、必ずしや、仲間の協力が必要となることでしょう。仲間をつくる力、仲間を誘う力、仲間と協働する力、仲間と共感し喜びを分かち合う力。21世紀の真っ直中で活躍する皆さんには、必要な力です。どうか、その力をつけてください。今年の皆さんの努力と成長を、先生方と一丸となって支えていきます。生徒諸君にとって、実り多い年になることを願っています。