第38回 高等学校卒業式が挙行されました

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令和3年3月1日(月)、暖かい日差しの中、第38回 西武学園文理高等学校 卒業式が挙行されました。
昨今の状況を鑑み、参列者を限定した形での卒業式とはなりましたが、315名の卒業生がそれぞれの夢や希望を胸に新たな道に向け旅立ちました。

柴田 誠 高等学校長 式辞(全文)

 入間の川の流れも温み、時折の温かい陽射しや風が、皆さんの卒業を言祝ぐかのようです。38期生の皆さん、卒業おめでとう。緊急事態宣言下の卒業式、歴史に残る時代を私たちは生きています。
 卒業生の皆さんには、今年度多くの我慢を強いることとなりました。臨時休業から始まり、分散登校、オンラインのホームルームや授業。部活動も中止、夏期ゼミも中止。先生方も皆さんも初めての辛い経験をたくさんしました。計画した教育課程を提供出来ない学校を、先生方も大変悔しく思い、申し訳なく思っています。
 それでも皆さんは、窮状にめげず、忍耐強くそれぞれの進路実現に向けて努力を続けてくれました。嬉しかったです。その姿はとても頼もしく見えました。

 卒業する皆さん、これからの時代を生きる皆さんには「しなやかに逞しく生きる」ことを目指してもらいたいです。世界で250万人以上の方がコロナで亡くなっています。太平洋戦争で日本人の死者数が約310万人と言われていることを考えると、戦争規模の死者数です。それでも、日本では8,000人弱の死者数で押さえています。すごい国です、日本は。政府は様々な批判を受けていますが、それでも国民の命を懸命に守り、結果を出していると私は思います。戦後75年間平和な日本に命の価値を全国民に考えさせたことは、コロナの一つの存在価値ととらえられます。命を考えることは生き方を考えることです。どんなにAIが発達しても、人間には寿命があります。限られた時間の中でどれだけ価値ある人生を送るか、どんな人生を誰と過ごすのか、そこが要諦なのです。

 不老不死の薬は要りません。そんな薬ができると、限りがあるからこそわかる時間の価値を人間が認識できなくなってしまいます。
 卒業生諸君、AIやロボットに仕事を取られてしまうなどと心配する前に、どうぞ自分の力を十分発揮し、生きがいのある仕事や研究を創り出し、どんどん推し進めてください。人生は挑戦です。確かに今まで以上に人間の存在価値や、一人ひとりの個性の価値を問われる時代です。どんな社会変化が起きようと「しなやかに受け止め、判断し、逞しく挑戦し続ける」そんな大人になってもらいたいと思います。それでも多くの困難を経験することでしょう。そんな時はどうぞ遠慮なく母校に戻ってきてください。皆さんの抱える悩みを少しでも軽くできるよう先生方が助けてくれます。そんな西武学園文理高校であり続けたいと思います。

 保護者の皆様、長きにわたり本校の教育活動にご理解ご協力を賜り心から御礼申し上げます。土日の休みもなく朝早くから夜遅くまで、勉強や部活、行事に熱中する生徒たちを支えてくださり、心より感謝申し上げます。教職員一同、懸命に指導・支援をして参りました。いたらぬ点もあったとは存じますが、本日、逞しく成長した若者たちを保護者の皆様のもとにお返ししたいと思います。
 今日、旅立つ若者たちの更なる成長と、一人ひとりの夢の実現を皆様とともに祈念したいと思います。 第38期生の諸君、西武文理高校の卒業生として、「しなやかに逞しく生き抜いて」ください。心から皆さんの幸せを願っています。

令和3年3月1日
西武学園文理高等学校長
柴田 誠

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