コロナ禍で行事が制限される中、本校では外部から来校者を招いて学びの場を提供しています。現在、TBSで放映されている「ドラゴン桜」の一部は本校で収録していますが、単なる収録現場としての提供ではなく、生徒の学びの場として利用させていただくことを前提に提供しております。
高校2、3年生のメディアに興味を持つ生徒を募集し30名程度の生徒が集まりました。今回の学びのメインテーマは、「ドラマを支えるスタッフとの交流を通して制作現場を知ること」です。
初回は、収録現場の見学でした。本校のサイエンスホールを職員室に仕立てての収録で、備品の多くはTBS緑山スタジオから運ばれてきました。スタッフの方が机を並べたり、美術の小道具担当者が机上に備品を並べたり、ロッカーにラベルを貼っていきます。今まで集会で利用していたホールが1日で職員室へと変化していきます。その完成度の高さと美術担当者のこだわりを生徒たちは実感していました。
2回目は、収録後にスタッフと協力して片付けの体験です。次の収録日まで時間があるので、一度、原状復帰の作業を行い、その仕事を体験しました。次回の収録時には、すべての備品を同じ位置に配置するために、床にテープで目印をつけておき、机上の備品を写真に撮り、段ボールに詰めます。机は後方にまとめて、元のホールへと戻しました。
3回目は収録日の立ち会いで、スタッフからの体験談を聞く日です。25年以上美術担当として務めていたスタッフからは、番組制作の苦労を聞くことができました。また、エキストラ担当、制作スタッフとの交流の場を設け、ドラマ制作には多くの協力者がいることを実感しました。出演者に興味ある生徒は、直接、出演者と言葉を交わしていました。監督を志望している生徒もいて、将来の自分をイメージしていたようです。参加者は普段の授業では学ぶことができない貴重な経験をしました。
様々な経験を通しての学びが生徒の成長につながると考え、このような企画を実施しました。コロナ禍で校外に出ることができない状況の中で、工夫した学びの場をご紹介いたしました。