3月15日(水)、第28回 西武学園文理中学校 卒業証書授与式が挙行されました。
久々の国歌・校歌斉唱を伴う卒業式となり、マスクなしの楽しそうな105名の笑顔をみることが出来ました。
学校長 式辞(全文)
早春の穏やかな陽射しが、皆さんの卒業式に間に合うように、桜の花を目覚めさせ、皆さんの門出を祝ってくれています。
28期生の皆さん、卒業おめでとう。入学式もできず、長期の家庭学習から始まった中学校生活でした。3年間、マスクをつけ続け、大きな声は出さないで、楽しい給食も、黙食という言葉で封印されてしまいました。私は、もっと皆さんの、笑顔が直接見たかったし、もっと自由な笑い声が聞きたかったです。それでも、人間の智恵と努力の成果です。コロナ禍も勢力を弱め、こうして来賓・保護者の皆様のご臨席を得て、皆さんのマスクのない素顔を見ながら、卒業式を行える事を心から嬉しく思います。
卒業する皆さんに伝えたいことがあります。これから、皆さんが生きていく世界は、様々な科学技術の進歩や自然環境の変化などで、予測できない出来事がたくさん起こるでしょう。温暖化や自然災害で多くの人々が、苦境に立たされるかも知れません。現に多くの人の命を奪う凄惨な戦争まで勃発しています。逆に、大気を汚さない新エネルギーの発見や、新たな薬や治療方法が開発され、病に苦しむ多くの人の命が助かるかも知れません。皆さんの生活様式や価値観も、あっという間に書き換えられてしまうかもしれませんね。不安にならないでください。変化を恐れる大人にならないでください。逞しくしなやかに、変化を楽しみ、変化に応じた生き方を創り出してください。あなたらしい生き方を創り出してください。
自分自身の生き方を模索するときに、思い出してもらいたいことがあります。本校で学んだ、グローバル精神とホスピタリティ精神です。グローバル精神の意味するところは、国境を越えた文化・歴史の尊重、地球を一つのフィールドと捉える、広い視野。諸外国との平和的な共存・共栄に価値を置く考え方です。また、ホスピタリティ精神とは、目の前の人への心遣いから、人権への配慮、様々な差別行動の排除、時には国家と国家の間の互助精神も意味するところと私は解釈しています。この2つの精神は皆さんの道標に必ずなってくれるはずです。
これから、新たな生活に移っていく皆さんは、多くの大人と出会い、多くの友達と出会います。やっとマスクを外してのお付き合いが始まります。まずは自分から、邪気なく私はこういう人間ですと、まっすぐに伝える勇気をもって踏み出してください。コロナ世代は、声が小さて内向的なんて言われてはいけません。自分の、ありのままの姿をさらけ出す勇気をもっている人が、一番強い人です。一生つきあえる親友をたくさん作って下さい。そして、何か壁に当たったときは、一人で悩まず、遠慮なく母校に帰ってきて先生方に相談して下さい。先生方は温かく迎えてくれます。皆さんは一人ではありません。多くの応援団がついていて、成長を楽しみにしています。自信をもって次のステージで活躍して下さい。
保護者の皆様、この三年間、本校の教育活動にご理解ご協力を賜り心から御礼申し上げます。教職員一同、至らぬこともあったと存じますが、一番に生徒たちのことを考え指導して参りました。保護者の皆様も、一所懸命に勉強する生徒たちを支えてくださいました。心より感謝申し上げます。
最後になりましたが本日ここに、本校後援会会長様、樹徳の会会長様のご臨席を賜り、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
第28期生の皆さん、西武学園文理中学校の卒業生として、誇り高く生き抜いてください。心から皆さんの人生が平和で喜びに満ち、幸多からんことを願っています。
令和5年3月15日
西武学園文理中学校長
柴田 誠