3月24日(金)、令和4年度修了式が行われました。
また、輝かしい成績を残した生徒への表彰なども同時に行われました。
学校長挨拶(全文)
皆さんおはようございます。本日は修了式、令和4年度を締めくくる日です。今年度、皆さんは充実した1年が過ごせたでしょうか。一日一善ではありませんが、一日一ホスピタリティを実行してきましたか。確かにコロナでいろいろ制約がまだ残る生活ですが、それを言い訳に使っているようでは、逞しく成長できません。令和5年度は、そのような言い訳を一切せず、なりたい自分の理想に近づいてもらいたいです。
今日、紹介したい人物は 浅川 純(あさかわ じゅん)さんです。
その方は、中学時代からお父さんの影響でUFOとか宇宙に興味を抱いていたそうです。大学に進むときも航空宇宙などの勉強ができるところを選び、東大に進学しました。
2019年東大大学院博士(工学)修了後、2020年株式会社Pale Blue(ペール ブルー)を創業しました。宇宙衛星が小型化されていく中で、小さい衛星の姿勢をコントロールする軽くて小さい推進機が必要になってきました。大きい衛星で使う推進機は火薬や有毒の物質も使い、コストや安全面で問題がありました。そこで、安くて安全な水を用いた小さい推進機の開発に目をつけたのです。昔から水推進機の考え方はありましたが、浅川さんは、水を水蒸気式と水プラズマ式の2種類の推進機を組み合わせた世界初のハイブリッドの統合推進システムを開発し、世界のトップレベルの技術をもっています。実際に小型の衛星でも、高度が下がったときやちょっとした軌道修正、宇宙ゴミから逃げるとき、運用期間が終了し、衛星自身が宇宙ゴミにならぬよう大気圏へ落とすときなど、様々利用価値のある推進機です。宇宙にゴミを残しては、ホスピタリティ精神に反しますね。まだ20代の浅川さんは、東京大学総長賞、MIT テクノロジーレビュー「Innovators Under 35 Japan 2020」、国際電気推進学会最優秀論文賞等を受賞。第22回「Japan Venture Awards」にて、中小機構理事長賞を受賞しています。
今後も、安全・無毒で取り扱いやすい水を使った推進機を世界に普及させることで、小型衛星のビジネスポテンシャルをさらに活かしていくことを目指したいとおっしゃっています。
さあ、皆さんも新入生を迎えます。中学100名 高校330名の入学生です。先輩としてしっかり面倒を見てあげてください。それがホスピタリティです。
皆さんにとって令和5年度も実りある年になることを、祈っています。
学校長 柴田 誠